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混迷 MIDI インターネットビューカム オトゲー

デジタルカメラのニューウェイブ インターネットビューカム

シャープから「インターネットビューカム」という気になる製品が発売された。一見普通の小型デジカメだが、MPEG4フォーマットによる長時間の動画撮影が出来る。MPEG4 はマイクロソフトが鬼プッシュしてるインターネット配信に照準を当てた動画フォーマットだ。最高で 320x240 ピクセル、フレームレート5〜15 コマ/秒 なので、画質はノーマルのVHSよりやや落ちるくらいで動きはワリとカクカクする感じだ。データの記録にはデジカメなどでポピュラーになってきたスマートメディアを使い、この最高品質録画(S-ファインモード)の場合32メガのスマートメディアで約10分の撮影が可能だ。画像サイズやフレームレートを落とせばさらに長時間の撮影が可能だ。外形寸法は、78.8mm(幅)x88mm(高さ)x42mm(奥行)で、これは突起物を含まない大きさである。重さは、単3電池4本を入れた状態で約240グラム。日常持ち歩ける範囲のサイズだというのがなかなかよい。もちろん静止画の撮影も出来る。静止画では、640x480ピクセル(ファインモード)で、32メガのスマートメディアなら288枚もの撮影が可能だ。

画期的な製品ではあるが、不満な点もいくつかある。まず、外部接続端子の類いが何もないという点。データのやりとりはスマートメディアを通じてパソコンとやりとりする方法しかなく、映像もパソコン上でしか見ることが出来ない。せめてビデオとオーディオ出力があれば撮影してすぐテレビに繋いで見る、なんてことが出来るんだが。それから音声が モノラルのみというのも残念だ。また、画像を無しにして、高音質(もちろんステレオ)で録音する機能も欲しいところだ。また、32メガまでのスマートメディアにしか対応していないので、将来64メガ、128メガのメディアが発売されても使えないようだ。大容量スマートメディアが発売されるのは時間の問題である。同梱のアプリケーションは Windows95 版のみで、MAC OSには対応していない。

価格は、実売価格で5万円を切るくらい。このセットには、わずか2メガのスマートメディアしか付属していない。実用的には32メガのメディアが欲しいところだ。これが実売価格13000円くらい。ACアダプタも別売で4000円(標準価格)。それから、スマートメディアのデータをパソコンとやりとりするためにPCカードアダプタ(10000円、標準価格)またはフロッピーディスクアダプタ(12000円、標準価格)が必要。これらを全部購入(スマート メディアのアダプタはどちらか一方)すると、約8万円になる。

取材のメモ代わりに使うとか、インターネットを通じて動画を配信するなどの明確な目的があれば買ってもいい。しかし初モノであることや機能的に不満な点などから、私としては今回購入見送りである。これを叩き台にして今後出るより高機能な製品に期待しよう。

このカメラを一目見たとき、パソコン雑誌の記事などで活躍しているスタパ斎藤氏は絶対にコレを買ってバリバリ記事を書くことだろう、と思ったんであるが、すでにシャープのウェブサイトに氏のレビュー記事が載っているではないか!(笑)。しかしシャープからの依頼での執筆ということで、ほめてばっかりで終っているのがちと残念。

インターネットビューカム これがインターネットビューカムだ。レンズ部には最新生物学テクノロジーを取り入れたバイオレンズが採用された。週に1度、生理食塩水を注入しなくてはならないのが少々面倒だ。

うっそぴょーん。ホントの画像はシャープ社のインターネットビューカム・サイトにあるっす。
16.Apl.1999 USAGI

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