西鉄バスジャック

Thu.4.May

5月3日午後１時30分頃、福岡県の九州自動車道で、佐賀市から九州福岡天神バスセンターに向かっていた西日本鉄道高速バス「わかくす号」が乗っ取られるという事件が発生。乗っ取られたバスは山陽高速道を北上。犯人は、坊ちゃん刈り縁なしメガネをかけた17歳の男で、刃渡り40センチほどの包丁のような刃物を持っていた。バスには20人程の乗客が乗っており、乗客の中でケガ人が2人程いる模様であった。犯人は午後4時頃、乗客の携帯電話から警察に電話をかけ、「岡山県のきびインターチェンジで降りるので拳銃を用意しろ」と要求。その後、再度電話連絡が入り、現金を要求した。犯人は７回程度、警察に電話している。 　バスで走り続けても逃亡は不可能であり、無計画、衝動的な犯行だと思われる。犯人はバスの中で「このバスをハイジャックした」と言ったという。ハイジャックというのは航空機を占拠することだ。やっぱりこの犯人はアホだ。逮捕されるのは時間の問題だが、乗客に死者やケガ人を出さずに犯人を逮捕できるかどうか、警察の手腕が問われるところである。乗客はトイレもままならず、さぞかしお腹もすいてることだろう。気の毒である。 　道中、バスの速度が遅いときに窓から飛び降りたり、トンネルで男性客が解放されたりして、残る乗客は10名ほどになった。人質は女性ばかりが残された。午後5時48分、バスは広島県東広島市の奥屋パーキングエリアに停車、警察関係者に囲まれた。パーキングの手前で警察車両が本線を塞ぎ、パーキングエリアにバスが誘導される形で停車した。午後6時34分、女性一人が救出された。続いて午後7時40分頃、首にケガをした女性が開放された。しかしこの女性は病院の集中治療室で治療が続けられていたが、午後8時30分頃死亡。午後9時36分バスは再び動きだし、小谷サービスエリアに移動。サービスエリアに到着後、烏龍茶、おにぎり、簡易トイレなどが差し入れられた。この後バスはガソリンスタンドに移動し、燃料を給油した。午後10時半頃、女性が1人解放された。少年の両親が呼ばれたが、犯人を説得する自信がないという理由で、肉親が説得には加わることはなかった。警察はメガホンで説得を続けていたが、この間、犯人は6歳の少女に刃物を突きつけて抱きかかえていた。この後、バスは小谷サービスエリアから移動することなく、事態は膠着状態が続いた。 　4日午前5時3分、突如バスの中から煙が上がった。バスに発煙筒が打ち込まれ、左右の窓ガラスを割り、機動隊がバスの中に突入。午前5時4分、犯人の身柄を確保した。追って午前5時5分、犯人は銃刀法違反、人質による強要行為等に関する処罰の法律違反などの容疑で逮捕された。乗客の多くはバスの最後部におり、バス後部の非常ドアから救出された。幸い、最後まで残っていた乗客や運転手に新たなケガ人は出なかった。足かけ2日15時間余りに及んだ事件は、ようやく解決に至った。 　つい先日も高校3年の少年による殺人事件が起こったばかり。犯人はまじめで模範的な生徒で、成績もトップクラスだったそうである。いったい若い人たちに何が起こっているのだろうか。それでは香山リカさん、分析をお願いします！！

機動隊員の突入は素早かった。警察官一人が足をガラスで切るケガを負った。おつかれさまでした。

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