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メンテはゴムだ! Sun.6.Jan
 ここ数日、いくつかの機器のメンテナンス作業を行った。

 まずはビデオデッキ。所有する2台のSHARP製ビデオデッキがどちらも不調になっていた。だいぶ年数も経っているので、故障もやむを得ないのだが、1985年〜1990年頃に発売されたSHARP製ビデオデッキは故障が多かったようだ。

 VC-S820は電気系の異常。音声にはノイズが乗りまくり(元の音声は、もはや聞き取れない)映像も乱れまくりで使い物にならない。基盤のコンデンサが逝ってる模様。もう1台のVC-FX61は、メカ系の異常。ビデオカセットを挿入しても中に引き込まれずにイジェクトされてしまうま。以前は何度か挿入を繰り返すと、なんとか挿入され動作していたのだが、ついにまったく挿入できなくなってしまった。中を開けてみると、どうやらカセットのローディングを制御するプーリーにかかっているゴムベルトが硬化&伸びているため、モーターのトルクを十分に伝えられていないようだ。

 VC-S820を開けてみると、メカ部にはほぼ同じ構成のユニットが使われている。こちらからゴムベルト2本とピンチローラーを外して清掃し、VC-FX61へ移植。各部をグリスアップして動かしてみると、カセットローディングは快調に動くようになった。実は、この他にもう一本ゴムベルトがあるのだが、メカユニットを分解しないとアクセスできない。こちらは面倒なので断念した。

 というわけで古いほうのビデオデッキが復活するということで、電撃ニコイチ合体作戦大成功という顛末。

 カセットデッキには、早送りや巻き戻しの状態から停止した際に、惰性の軸回転でテープがたるむことを防ぐために、テープの回転軸にブレーキが付いている。なぜかVC-FX61には、向かって左側の回転軸にしかブレーキが付いていない。早送り→停止 という操作では、ブレーキが働いてテープの空回りによる「たるみ」は発生しないのだが、巻き戻し→停止 という操作を行うと、軸が空回りしてテープがたるんでしまう。巻き戻しからの停止後にフリー側の軸が逆回転して、たるみを取る動作をするように制御されているのだが、巻き戻しから即再生ボタンを押すような操作を繰り返していると、テープが絡んでしまうという事故も過去に何度か発生した。一度、レンタルのビデオテープでこれをやってしまい、テープが少しシワシワになってしまった。レンタル屋さん、すみません…(もうすでに時効(笑))。

 VC-FX61の約2年後に発売されたVC-S820では両方の軸にブレーキが装備され、対策されていたのだが、新たに付けられたブレーキは「とりあえず付けてみました」みたいな感じで、いかにも貧弱である。もしかして、SHARPは「巻き戻しから即再生するような操作の頻度はそんなに多くないだろう」と考えてるのだろうか? もしそうだとすれば、それは間違っている。例えばスポーツ映像などで「今のシーンをもう一度見たい」と思って、同様の操作をすることは結構多いのである。事実、他メーカーの多くのビデオデッキでは、左右の軸に同等のブレーキが付いている。

 VC-S820には、ブレーキ対策の他に、自動ヘッドクリーニング装置が加えられるなど、細かなバージョンアップが施されている。

 フタを開けたついでに、ヘッドもピカピカに磨きあげた。ビデオ映像のノイズが減り、画質は向上した。一般に売られているビデオヘッドクリーナーでも、ある程度のヘッドの汚れは落とすことができる。しかし、清掃できるのは、あくまでクリーナーのテープの巾のみである。ヘッドのテープ巾を越える部分にも汚れが付着し、僅かながらテープの縁を汚すことになってしまう。そして、汚れたテープで再びヘッドを汚すという悪循環に陥りがちである。できれば年に一度くらいは直接ヘッド磨きをやったほうがいいだろう。


 次にメンテしたのがプリンターである。数ヶ月前から給紙が不調になっていて、10枚くらいまとめて紙をセットすると、3枚ほどいっぺんに給紙されてしまっていた。数枚まとめて給紙したのち、各紙に対し数センチずつずれて印刷してしまうため、給紙された数枚がいっぺんに無駄になってしまうこともしばしば起こった。

 裏ぶたを開けると、なんとゴムローラーにフジツボがびっしりと群生しているではないか! これでは給紙されていたのが不思議なほどだ。…うそです。びっしりと付着してたのは細かい紙の繊維。ローラーが白っぽくなり、触ってみるとツルツルすべる。これでは正常な給紙は無理である。

 カセットデッキ用のピンチローラークリーニング液を綿棒の先に付け、ローラーをガシガシ清掃。給紙時の異音も少なくなり、快調に動くようになった。


 結論。機器のメンテは『ゴムが基本』である。ここで新たな疑問が生じることだろう。なぜ、ゴムは伸びるのだろうか!? この疑問はナンデなんでHOMEPAGEのゴムに関する詳細な解説を読むことで氷解することだろう。


 電気製品内部には高圧電流などの危険性もあるため、筐体のカバーを外して清掃などを行う場合には、自己責任の上でくれぐれも慎重に行って欲しい。また、ネジを外して機器の内部にアクセスするような行為は、メーカー保証期間が残っていても、保証が無効になってしまう。このようなメンテ方法は、保証期間が終ってから行ったほうが無難である。

ワゴムマン
ワゴムマンはゴムのことなら何でも知っているんだ。

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新しい年が始まったからといって油断してはならない。地球は昨年と同じように回っているのだ。太陽を中心として他の星も回っている。しかし実は、太陽系は恐るべきスピードで移動しているのだ。いつかすべての魂はまばゆい光の中で一体となるのだ。魂の掟に従うのが我々の定めなのである。